L-マガ
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女性起業家インタビュー①プライベートスタイリスト河岡麗香さん(前編)

2019.10.05

河岡麗香 (プライベートスタイリスト、Re:Styling主宰)

地元山口県を中心に、福岡、大阪、東京でもファッションコンサル、生き方カフェなどのお話会を精力的に開催。ファッションを通して女性の生き方を考えるきっかけを与えるブログが大人気。子育て世代からミドル、シニア層まで幅広い人気を得ている。

昨年夏、深夜のFacebook(以下FB)へのつぶやきに対して応援コメントが殺到し、数時間でファッションショーを開催することが決まるという衝撃的な展開となり、11月に宇部井筒屋で“シニアミドルファッションショー“を開催。大盛況に終わった。

アメブロ:「あなたらしさを生きよう。40代からの美人レッスン Re:Styling(山口福岡)」

 

 プロファイリングが趣味だった若い頃

 まず仕事内容を教えてください。

個人のパーソナルスタイリング。あとは起業家さんのコンセプトやキャラクターに合ったブランディングをしています。それは、骨格診断やカラー診断から打ち出したファッションやメイクを含め、その人のキャラクターを反映するような色使いやアイテム選びなど、外見をブランディングしていくことです。

その方のコンセプトやキャラクターが外見に表れるようにするんですね?

個人のパーソナルブランディングの場合は、お洒落に対する気持ちとか、小さいころ言われたことが気になってそこから踏み出せないんだとか、そういうこともお話してくださるなら、私はすごく大事な情報として持ちたい。起業家さんの場合は、「お仕事で自分がお客様に対してどういう存在でありたいか」というのをまず聞いて、もちろん業種別の出し方っていうのも考えながら提案をしていきます。その中で、やはり人間としてその人がどういう人なのか、というのもイメージ診断をしてそこから表現していく。イメージがより濃くなるようにお洋服で色を塗っていくみたいな仕事です。

今、イメージ診断という言葉が出ましたが、それは一般にはない言葉で、麗香さんだけのものだと思うですが、どういうものなんですか?

服って骨格とかカラーだけで選ぶと、なんかちぐはぐになったりするんですよね。診断とは別に、やっぱりその人に似合う雰囲気っていうのがあります。顔の造りであったり、身のこなし方とかしゃべり方で。そのしゃべり方もいっぱい要素があって、声のトーン、高さ、早さ、それから選ぶ言葉はもちろんです。そういうところから分析をして、それが正しく周囲に届くように心がけて服を選ぶんですけど、そのイメージは8つに分けてます。

けっこう細かいですね。

フェミニンと、エレガントと、ナチュラルがあって、そのフェミニンが2つにわかれ、エレガントが2つに分かれ、ナチュラルも2つに分かれ。そこに、キュートとアバンギャルドっていうのがつくんですよ。それで、8分類っていう形になってるんです。骨格診断やカラー診断とはまた別で、ただよってくるオーラみたいな、空気感みたいなもので診断します。

これもオリジナルなんですが、その答え合わせとして、お花のティアラをつけて、似合うかどうかっていうのを見ます。最初は診断に納得いかない場合でも、ティアラを着けてみると、「あ、やっぱりこれが似合いますね」となるんです。例えば可愛いのが着たい人でも、デイジーの花冠をつけると、なんかちょっと学芸会っぽくなちゃうこともあって、「あ、可愛いの似合わなかった」ってことで納得(笑)、ということもあるんです。ちょっとショックなところもあるけど、好きなテイストは小物とかで楽しんでもらえたらいいし、「それでも私はこっちが好き」って言われれば、それはその人の自由だと思う。ただ、客観的にどう見えるかっていうのを知っておくのはやっぱり“大人のおしゃれ”だと思うんですよね。

なるほど。では8種類のティアラを用意してらっしゃるんですね?

はい。(笑)

そうやって、分類ができるっていうことは、麗香さんの中に人間のいろんなデータの蓄積があって、それを自分の中で精査して作り上げたものだと思うんですけど、どこからその蓄積をされたですか?

昔から好きだったんですよ、人を見てプロファイリングをするっていうのが。…っていうとみなさん「え?」って構えられるんですけど。

でしょうねえ。(笑)

その時は、「大丈夫、今は心の目を閉じてるから」って言うんです(笑)。

そのきっかけがどこから生まれたのかはちょっと分からないんですけど、最初に雑誌を見ておしゃれを研究し始めたっていうのが一つあると思うんですね。それから道行く人を見て、「この人はこの雑誌を読みそうだ」とかいうのを自然に予測するようになって。そうしていくと自分のデータがどんどん増えていって、「あ、この人に似合うのはこういう感じだな」とか、「ファーとか着れば似合うのに」っていう風に 勝手にビジュアルとして浮かび上がるんです。実は二十歳くらいの時からアイドルをプロデュースするっていうことがしたかったのを最近思い出しました(笑)。

そんな若い頃から人をプロデュースすることに関心があったんですね!

山口県の、いわゆる地方の看護学生でしたから、そんな仕事ってあるかどうかはわからなかったけど。でもその妄想だけはずうっと持って今まできたので、30年たってこの仕事やってるのがすごくつながるんです。“ピーコのファッションチェック”も大好きだった。ちょっとベルト変えるだけでとても素敵になるのとか、うっとりしながら観ていました。映画も、「プリティウーマン」や「マイフェアレディ」とか好き。女の人が変身していくのがすごく好きで。なんかわかんないけど惹かれる部分っていうのがあるんでしょうね。自分も変わりたいって思い続けてきたからかもしれない。

 



 

起業のきっかけ

根源には自分のことがあるのかもしれないですね。今看護学生だったって言われていましたが、長年看護師をしていて、今の仕事を始めようと思ったきっかけは何かあったんですか?

看護師は、親が「資格を持ってなさい」って言うし、母も叔母も看護師で看護師一家だったので、そのまま素直に従って自然にそうなったというか。堅実な人生を歩むための職業だったんです。

で、なんだろうな、社会とのつながりが欲しかったのか、一旦看護師を辞めて専業主婦になって、アロマの資格を取ったりして。で、もっと何かやりたいなって思ってた時に、百貨店でマネキンが着ていたコーディネートを見て、あるお友だちにすごく似合うなって思ったことがあったんです。そう、得意のプロファイリングで(笑)。で、「これ友だちに勧めたいので写真撮っていいですか?」って言って撮らせてもらって、その友だちに送ったんです。その人は新潟の人なんだけど、同窓会があるからってその写真と同じものを全部買ったんです。そして、あとで彼女から「同窓会ですっごく褒められたし、すごくいい時間が過ごせた。自分がとても自信をもってその空間にいられた」って聞いた時に、「あ、こういうことでそんなに喜んでもらえるんだ」ってわかって、すごくパワーをもらえたんですよね。私が全然苦労せずにやったことでそういうことができるんだったら、そこちょっと伸ばしてみてもいいなあと思って、骨格診断とカラー診断の勉強に行きました。

その時すでに骨格診断やカラー診断をやってる人は結構いましたか?

まだまだ出始めで、私も知らなかったんですよ。ずっと、「着太りするのはなんでだろう」って思って調べてたら、骨格診断っていうのがあるんだと。「じゃあ私も、今までのプロファイリングの答え合わせもしたいから勉強しよう」って。その2~3年後に本とか雑誌の特集とかで見るようになりましたね。

ではその友だちに写真を送ったのが大きいきっかけだったんですね?

そうですね。それからは、家にお友達が遊びに来たら、「こういう髪型似あうんじゃない?」って言って、櫛とワックスとか持ってきて変えたり、変身ごっこみたいなのして。で、だんだん、「私っていろんな人を変身させられるんだな」って確信し始めたんですよね。

分析力、プロファイルング力がすごいからですよね。

だてに30年やってないって感じ(笑)。誰からも頼まれてないのにね(笑)

ただ、今この仕事してて、看護師の時に培った観察眼ていうのはとっても役に立ってますし、亡くなる前の方から生き方も勉強させていただいたから、「よりよく生きることってどういうことだろう」っていうことを常に考える場にいたので、そこは役に立ってますね。

その頃からブログを書いてらっしゃるんですか?

ブログはその前から書いてたんですよ。アロマの講師をしてた時に、アロマのこととか、おうちの中のことを楽しむ「レリッシュ(お気に入りという意味)な毎日」っていうタイトルで。で、だんだんエキサイトブログからアメブロにうつり、書くことも変えていったんです。

今のお仕事をしてて嬉しいことはなんですか?

毎回なんですけど、お客様が自分が変わった姿を見て、フッてその人の顔が緩むとき。目の奥がキラキラ輝いてる時。「わあ!」じゃなくてフッて。

「恥ずかしいけれども、私まだまだいける」っていうのが目から出てくるんですよ。よく私が表現するのが、和紙の中からライトがフワってつくような感じ。パーって光るんじゃなくて。そういう瞬間を見た時ですね。私は後ろから鏡越しに。あの瞬間は毎回嬉しい。「主食です」って言ってる(笑)。それがないと生きていけないみたいな(笑)。それがあるからやってこれてる。

 



 

深夜のつぶやきからあれよあれよとファッションショーが実現

去年の11月の“シニアミドルファッションショー”は見ていてすごくパワーをもらえました。でも、やろうと思ってやったんじゃなくて、いろんな人のエネルギーが一気に集まって実現したんですよね?

そう、「押すなよ?押すなよ?」っていう。あれなんだっけ?

え、ダチョウ倶楽部のあの状態?(笑)

振り返ったらそうだったなって思う(笑)。人からはね、「ファッションショーやればいいのに」「やって」ってずっと言われてたんですけど、「私は絶対そういうことをする人じゃない」って思ってた。人をまとめるとかリーダーシップをとるとか、絶対やりたくなかったんです。女性のゴチャゴチャが嫌いだから(笑)。中高生時代にちょっと嫌な思いをしたことがあって、「なんか、女の世界って怖いな」っていうのがずっとあった。でもやってみたら全然そんなことはなかった。考えてみたら、同じ志で集まってくれた人たちだから、変なこと起こるはずがなかった。こんなに同じ思いが一緒の人がいるんだ、って思ったら、「自分はほんとはやりたかったんだ」って気づいた。言い訳だけしててね。だからほんとにいいタイミングだったと思いました。めちゃくちゃなタイミングでしたけど(笑)。

夜中にFBに上げたら、朝になったらすごいことになってたっていう(笑)。

夜中の3時に悪夢で目が覚めて、ネットを見てたら、シニアの方がすごいおっきなステージでとてもドレスアップされた画像があがってきて。で、主催のデザイナーの人のコンセプトとかインタビューの記事を読んだんですね。で、“ああ、こんなことできたらいいのにな”って思いながらなぜか私はFBに夜中の3時にそれをあげて。で朝起きてみたら、「手伝うから是非やって!」というコメントがいっぱいついてて、見間違いかと思ったくらい!

会場を貸してくださる方もすぐ現れたんですよね。

そうなんですよ、すぐ電話をいただいて。いやぁびっくりしました。いろんなことがつながって、バーンって起こったっていう感じです。やりたくないって思ってたのはただの自分の内面のブロックで、「自分が伝えてきたことって、そこじゃないと出せないじゃない!」っていうのが自分の中にあったのがわかったんですよ。だからほんとに背中を押してくださったみんなに感謝の気持ちだけ。神様にも感謝。夜中の3時に起こしたのもきっと神様(笑)。

それが7月。忘れもしない七夕の日。それから4か月でばあーっと。もう何からやっていいかわかんなかったから、なになになに?ってみんなに訊く感じ。それも自分の中のブロックを外した。今までは苦手なことはやらないで得意なことを一人でやるっていうスタイルだったけど、「もう助けてもらわないとしょうがないやん」って感じで。頼ることも覚えたし、頼ると応えてくれることも覚えた。それってみんな知ってることかもしれないけど、私はこの年齢まで体験してこれなかったから。だからそれも自分を見つめなおすきっかけになった。

FBで毎日投稿を見ていて、すごい勢いを感じました。

どうなるのかわかんないっていう中で、みんなが見てるし、ちょっとしか人が来ないかもしれないっていうプレッシャーの中で。

プレッシャーはすごかったでしょうね。

でもプレッシャーがないとやらないから(笑)。プレッシャーがあるからあれだけ動けたと思う。人ってそういうとこないですか?追い込まれたらそこから本気が出るって思うし。それこそ資金繰りであったりとか、やっぱりリスクをとらないと生まれないなって思います。

だからまたやりたいです。毎年できるかどうかはわからないけど、隙あらば(笑)。「ここ使っていいよ」って言われたら、「じゃあやらせて」って、そんなアイドリングをかけてる状態。

他にはこれからどんなお仕事をしたいですか?

今「リトルブラックドレス=とりあえず着とけば安心する服」を提案しています。でも着て終わるんじゃなくて、そこからプラスして、自分で生み出していくっていう過程を楽しんでもらうためのブラックドレスなんですよ。おしゃれが苦手だという人にとって、まずは無難であることって大事じゃないですか、安心感がある。安心感を得て、そこからの一歩を踏み出すためのワンピースなんです。

ただ、それでも、丈にはちゃんとこだわること。「黒を着とけば安心」じゃなくて、黒でもシルエットにこだわっていれば十分素敵に見える。そこにこだわる、神経を行き渡らすことが大事なんですよってことも、同時に伝わるといいなって思うんですよね。

そこは私の思いがすごく入ってるんですけども、その思いと共にこのリトルブラックドレスも広めていきたい。

 



後編は、後日公開します。お楽しみに!